2017年10月6日金曜日


満月の夜です。
今夜は薄曇り、お月様の姿はぼやけています。
薄墨で濡れた紙に、筆で一滴の水を置いたみたいです。

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近年、デザイナーの意識が「発想や企画」に傾き過ぎている様な気がする。
現物を見て、触れて、丁寧に作り込む。
もっと「造形」に時間を掛ける事が必要。

折角の良い提案で、上手い言葉を並べる事が出来たとしても
最終的には「造形力」がなくてはならない。

「良いDesign=変わったもの」という認識は根強いが
普通を恐れず美しく調和するデザインを。

トレンド(流行)というグループに入らない事の「価値」
現状に流されず我が道を。
「これまでにない新しいデザイン」ではなく
「これまで積み重ねて来たもの」によって出来るものの大切さ。

誰かをちょっと幸せにする仕事。
新しさだけを求めない仕事。

本当のシンプルでないのにシンプルという言葉が使われる。
そのシンプルって何だ?


カーデザイナーの和田智さんが書かれていた言葉から
少し抜粋して書かせていただきました。
「発想や企画」に傾き過ぎている様な気がする。
確かに…そういう流れを感じていました。何なのだろう...。
溢れる情報の中から、とにかく注目してもらわなくては始まらないから?
期待させる立派な箱、なのに中を空けてみてがっかり。

自分が近頃感じていた事、そうだなぁと思える事が書かれていた。
これを読んだら少し頑張ろうと思えた。
こういう風に考えている人がどれだけいるのだろう?
作る側も見たり買ったりする側も
大半の人は、新しくて、みんなが上辺の「あっ」という面白さや新しさを求めて
作ったり買ったりしているから、なかなか難しい現状で小数派である、
だからこういう風に書かなくてはならないのだろう。

コツコツ丁寧に作り込む物や事。
よく見て考えて。
暮らしや風景に馴染む物づくりは、
建築も、車も、布や服も、まちづくりも...同じだと思う。

安易なものをどんどん発表、あっという間に廃れるデザイン
(デザインは物だけでなく、暮らし方など色々な物事に当てはまる)
個性だけを全面に出したもの。溢れるもの、こと。
それらを後々見た時の気持ちって...確かになんとも寂しい様な(空虚感)。
そういう気持ちにならないものが作れたらいいなといつも思います。