2015年2月17日火曜日


織りと言うと「機(はた)で織る」場面がクローズアップされがちですが
織る前後の作業も沢山ありますし、大事です。
これは整経(せいけい)という作業の一場面。
読んで字のごとく、織りたい布の経糸を整える(準備)。

例えば今回は、50cm幅×2m長さのストールを作ります。
1センチ幅の間に10本の経糸(たていと)が必要なので
cm/10本×50cm幅=500本必要という計算になります。

もし糸が太ければ1cmの中に通す糸の本数は減り
同じ幅のストールを作る場合でも糸の本数は減ります。

次に、長さは2m+房と機への結び分として60cm=2m60cm

(2m60cmの長さで、500本用意すると言う事です)

編み物は一本の糸を編みながら(絡めながら)進んで行きます。
一枚の布を編んだら、それは全部一本の糸で繋がっています。
それに対して織り物は、経糸が一本、一本、全て独立しています。
一本の経糸を抜いても、編み物の様に繋がって解ける事は有りません。
(緯糸は繋がってますが)

ちょっと話がずれたので、元に戻します...

2.6mの長さで500本の糸を用意する時、
四角い木枠に丸棒が一定間隔で立っている、整経台を使います。
片道が丁度2.6mの棒と棒の間に、糸を行ったり来たりさせて500本。
この時、ただ往復するのではなく写真に有る様に「綾」の道を作ります。
往路と復路でクロスする事で、全く糸が絡んだりせず
どんな細かな縞模様も、種類や色の違う糸も、順番通り。
これが無いと大変な事になってしまいます。

今回はA色、B色の2色使い。14本ごとに糸を変えながら500本整経、
1ブロック1.4cmのギンガム(ブロックチェック)模様にする予定です。

今朝は、この整経をする為の、更に前段階の準備として
購入した際、綛(かせ)という形状に束ねられている糸を
木枠や玉巻きに巻き直しするところから始めました。

「織る」までには長い段取りや、そして織った後にも始末は沢山ですが
どの作業行程も次の作業の効率を良くし、糸に負担をなるべく掛けずに
良い布を織り上げるようにと考えながら、
ひとつひとつ、こつこつと積み上げて行くといった感じです。
手間を惜しんだり、焦ったりはいけません。
テキメン、間違ったり失敗したり、気持ちが布に現れますから。