2018年7月23日月曜日


シルクリネンのストール。
色の部分は草木染めをした糸。
和装にも合うかと。ストール以外の使い方もできるかもしれません。
壁に掛けたりなどなど。(器と雑貨asaさんへ納品)

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先日、布について下記の様に書きました。

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模様の可愛さだけでなく、リネンの速乾性、抗菌力
オーガニックコットンの柔らかな手触り、
日本の技術で生まれた糸の持つ吸水力など
布自体の使い心地も、暮らしの道具として愉しんでいただけたら嬉しいです。

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模様の話を少し。

例えば、布を布巾として使う場合、本来模様は必要ないかもしれません。
日本の布巾などは、晒を二枚仕立てにし、刺し子を施しています。
一枚だと薄いので、二枚に仕立てる。二枚の布がずれない様にする為に
また丈夫にという機能を兼ねた刺し子の模様。
雑巾の様に、ただひたすら波縫いしてもいいのでしょうが
使う時の楽しさ、見た目の美しさも…と言う事でしょうか。

キッチンクロスですと、一枚仕立てですので、その意味での模様は
必要ないかもしれません。(西洋で使われているリネンのキッチンクロスなど)

日常に何枚も使うタオルなどもそうですが
全て、無地で揃えるもよしですが、色や柄違いであることは
使った順番や持ち主を知る印にもなるかもしれない。
そして見た目。
リネンの布類は昔々はお嫁入り道具のひとつだったのではと。
イニシャルや目印のワンポイントを刺繍したり織り込んだり。
日本でも、風呂敷に名前や家紋をいれたりしてお嫁入り道具とした様に。
ラインなどにも、その様な役目が有ったかもしれません。
製造している工場によってオリジナルのデザインがあるとか…。
タータンチェックもその様な感じです。

機能を兼ねた模様。

自然の中にあるもの(見えるかたち、見えないかたち)を
視覚化したのが、デザインの原点、始まりだったのではないでしょうか。
変化して消えて行くものを、記憶に留まらせ、再現したい…。
模様に色々な意味を持たせたりもした。
繋がり、繰り返す、囲う…子孫繁栄や魔除けに繋がるものなど。
長く繋がるツタ、大きく広がる木の枝、強靭な繊維、波や風…
模様の素となるものの持つ特徴に意味合いを掛けて。
色も同じく。
模様や色に意味を持たせようと思えば、幾らでも持たせられるけれど
意味は無くカタチを単純化させデザインされたものもある。(視覚重視!?)

今、手織、手仕事のものは一部の人の嗜好品になってしまっています。
昔は、手で織るしかなかったので当たり前だったけれど。
今は逆ですね。
たとえ模様を無くして、機能だけを備えたものを作ったとしても
作れる量は、大量生産にはかないません。
キッチンクロスだろうと着物だろうと、その辺に安く売っている。

使う人だけでなく、作る側も作る事を愉しみたかった…
と言う理由も、模様にはあるのかも。

先日、ストロー(プラスチック製)を使うのをやめる話を
ニュースでやっていました。(カメさんにストローが刺さっていたのだとか!)
ストロー自体を使うのをやめるのではない。
これから、再生紙などの代替品に移行するとか。
そもそも健康であればストロー必要ないかもしれない。
でもグラスを洗う手間や水は省ける、病気の場合等便利。
不便を便利にしていく過程で生まれる矛盾。
再生紙ならいいのか?水不足の地域ではストローなんて使ってるのか?
このストローニュースは色々な問題を投げかけて来る。

人はパンだけでは生きて行けない。
(機能のない模様も人には必要!?)
人はやっぱり美しいものに惹かれたり、美しいと思う心があるから。

しかし、キッチンクロスに無意味な可愛い模様など
出来るならばいれたくない...とも思ったりする。
(しかし模様が欲しいとも思う、矛盾!?)
ささやかに、心安らぐ、機能を妨害しないもの、手で作るからできるもの…
素敵だなとか(季節を感じたりとか)使い易いとか
「何か」得られるものがそこにあれば、無駄に使い捨てをせず、
長い時間、愛着を持って使ってもらえると言う
模様の役目、存在理由の一つになるかもしれない。
(例えば、北欧では冬の間も自然を愉しめる様に、部屋のテキスタイル、
陶器などに自然のモチーフのものを取り入れているし、昔の日本の工芸品も然り)
でも、世界には模様の無い生活スタイルを貫く人達もいる。

模様は奥深い…笑
意味合いや機能とは別の、視覚やデザイン、好みからの観点 etc...
多方向からの考察ができる。

その「模様」をひとつのテーマにして、
次回個展で作ったものを展示したいと思っています。

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