2017年7月24日月曜日

今日、7月24日。
1886年の今日は谷崎潤一郎が生まれた日なのだそう。
今朝、ネットで流れて来る情報を見ていて気がつきました。

「陰翳礼讃」という著書の中に「客ぎらい」という
短編のお話(随筆)があって、自分の事について谷崎が書いています。

”田舎臭い事が嫌いな私は、和服の時は結城紬か大島に無地の羽織、
角帯をきりりと締めた町人出で立ち一見商店の若旦那という格好…云々”

”文学者は朋党を作る必要はない…永井荷風を敬慕するのは、
氏ほどこの主義を押し通している文人はいないからである”

少し省略して書きましたが、私はここの文章部分が何故だか好きなのです。
なんだかいつも読んで苦笑いしてしまいます。
永井荷風も好きだと言うのもあるのかもしれないし、
考え方に共感する部分が有るからと言うのもある気がします。
そして私の中に「武士は食わねど高楊枝」という
祖父や曾祖父…代々の江戸っ子的妙な気質を感じるから!?笑。
と、思わずにいられないのです。

私が谷崎を読む様になったのは、自分の祖父や曾祖父達の住んでいた所と
谷崎の生家がとても近い(殆ど同じ)と知った事で
なんとなく親近感が沸いたからでした。
なので、同じ地域、同じ時代に暮らした谷崎の話の端々から
当時の事を色々想像して祖父達がどんな風に暮らしていたのか
と言う事に想いを巡らせるのも楽しいからなのだろうと思います。
もしかしたら、何処か近所で顔を合せていたかもしれない、笑。
なんて好き勝手な事を幾らでも考えられるのですから。

ちなみにこの「陰翳礼讃」は文学だけれど
建築や設計等を生業にしている人達の中では
実は有名な本だと思います。
どうしてか?興味の有る方は読んでみてください。